映画「 SOMEWHERE 」 [映 画]
SOMEWHERE
監督:ソフィア・コッポラ
出演:スティーブン・ドーフ、
エル・ファニング
★★★★★☆
ソフィア・コッポラの監督4作目。
これまで見せてきた得意技が凝縮されてた。
今までで一番好き。
しつこいくらい荒野をぐるぐる走るフェラーリのオープニン
グから始まって、あっけないともとれるエンディングで終わ
る今作。高級車でぐるぐる走り回る退屈なオープニングは、
そのあと出張ポールダンスの気だるさに続き、淡々とハリウ
ッドスターである主人公の華やかなイメージとは真逆の空虚
で退屈な生活が映し出される。
ソフィア・コッポラの2作目「ロスト・イン・トランスレー
ション」に設定が似てるな・・と思いつつ、そこら辺のハリ
ウッドスターの裏面を面白く描くのが上手いのは、やっぱり
VIP育ちだから?
そんな退屈な流れを吹き飛ばすのが、別れた妻との間に生ま
れた11歳の娘、クレオの登場。演じるエル・ファニングの
素材の良さも勿論あると思うけど、1作目の「ヴァージン・
スーサイズ」みたいなソフィア・コッポラ得意の少女趣味の
センスの良さに、今回もうっとり。
そして、なにげに毎回1番楽しみにしてる音楽ですが、今回
挿入歌としてはストロークスの「 I'll Try Anything Once 」
だけだった(と思う。)セリフも少なめなので、わりと無音
が多くて意外だった。だからこそ、際立つストロークス・・
あと、劇中たびたび登場するフェラーリのエンジン音に、気
づくか気づかないかのギリギリの線でかぶせてた、フェニッ
クスの「 love like a sunset part 」のイントロ。曲が流れる
と思いきや流れないので、これが気になって気になって・・
いたら。冒頭のシーン、フェラーリを乗り回して退屈しのぎ
してた主人公が、住み慣れたホテルをチェックアウトして、
フェラーリを走らせ、乗り捨てる。 そして、ここでやっと
流れる( 動き出す )音楽。
・・・このラストの演出に鳥肌でした。
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